顎関節症の病気の型の中でも、最も多いのが筋肉の問題とクッション材(関節円板)のズレです。そして、それを起こす原因として、上下の歯の接触時間が長いことが考えられます。多くの方は、上下の歯が接触しているのが正常な状態だと考えているようですが、実際は1日の中で上下の歯が噛み合わさっている時間は、1時間未満です。それよりも接触時間が増えると、顎を動かすための筋肉に負担がかかったり顎関節部の負担過重となり、顎関節症になってしまいます。
まずは上下の歯を接触させないことを意識していただくだけでも改善していきますが、寝ている間など、どうしても無意識のうちに食いしばってしまうことがあります。そのため、必要に応じてマウスピースを作成し、就寝する際はそれを装着していただくようにしています。また、スポーツをされている方や楽器(特にバイオリンなど)を演奏される方は、歯を噛みしめることが多いため、競技・楽器をプレーする時用のマウスピースもお作りします。
また、顎の筋肉の緊張をほぐすマッサージをしたり、痛みを取るお薬を処方したりと、その方の原因と症状に合った治療を行っていきます。